泉慶寺の阿弥陀さま

ご本尊の阿弥陀さま

泉慶寺本堂内陣中央にいて下さる阿弥陀さまです。

いつからいらっしゃるのか、明確な記録がありません。
泉慶寺過去帳によると1577天正5年に信長軍の兵火による自坊焼失とあり、焼失後は小庵を寺としていたようで、本堂再建は1810文化7年という記録が残っています。

ちゃんと調べていませんが、おそらくは本堂再建から泉慶寺にいてくださる阿弥陀さまなのではないかと考えています。

 

右余間の阿弥陀さま

金沢藩今津代官・河原林家の自邸の内仏であったと伝えられる阿弥陀さまです。

河原林家は、創立から400年もの間、泉慶寺門徒の中心だったと伝えられています。政権の移り変わりなどによって、今津を離れる際に、この阿弥陀さまを泉慶寺に託されました。

現在は泉慶寺の門徒惣仏として泉慶寺本堂右余間(南余間)にいて下さいます。

造像期は平安末期とされています。
2000平成12年6月に美術院国宝修理所の八坂寿史氏によって修復されました。

左余間の阿弥陀さま

宗派法式規範には余間に阿弥陀さまがいらっしゃる配置はありませんが、なぜか古い真宗寺院の余間には、寺族の内仏として阿弥陀さまがいらっしゃることがあるようです。

泉慶寺では右余間に門徒惣仏がいらっしゃることから、寺族内仏として、この阿弥陀さまが左余間(北余間)にいて下さいます。

泉慶寺お迎えした明確な経緯や記録はありません。泉慶寺第19世釋慶道が蔵に保管されているのを発見し、寺族(杉生家)の内仏として安置したそうです。